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お知らせ

福島ロボットテストフィールドで実施中!消防保安課ドローン講習の中身を解説!

1/15よりスタートした消防保安課様主催のドローン講習。
県の主催で、消防職員だけなく、消防団員・市町村職員も含めた規模でドローン講習を行うことは、全国的にも例のない貴重なものとなっています。

会場は世界のロボット産業開発拠点になりつつある「福島ロボットテストフィールド」です。

講習の冒頭では、担当の消防保安課 岩井様からもご挨拶頂きました。

参加された方々は、どのよう内容を学ぶことが出来るのでしょうか?
今回はテキストの中身や講習の目的についてフォーカスしていきます!

本講習では「基本から学べる基礎講習」「応用的な内容に踏み込む実務講習」から選択でき、両講習とも前半:座学・後半:実技の2部構成となっています。

今回はテキストも特別に製本し、普段のドローン運用における疑問点・問題点をできる限り解決できるよう「補足資料集」もご用意しています。
講習が終わってからもドローンに関わる皆様に、このテキストがお役に立てるようにと考えたのです。

基礎講習

座学のメインとなる内容は「法令・ルール」です。普段の講習でも2時間ほど時間を取ってお伝えしていますが、今回は法令以外にも、運用面の基本について盛り込みました。限られた時間の中で、どれだけわかりやすく、多くのことを伝えるか。講師の毎回の課題ですね。

国内のドローン規制は必ずきっかけがあり、ドローンが起こしてしまった事件や事故を紹介するとともに、なぜルールが必要なのか、そしてルールとしてどのような法律があるのかを知っていただく必要があります。飛ばすためのルールだけではなく、運用方法によって様々な法律が絡み合いますので、とても重要な項目となります。

DIPS(オンライン飛行申請)だけでなく、FISS(飛行情報共有システム)が必要なことはご存知ですか?参加された方にも知らない方が多くいらっしゃいました。もちろん、保険の加入も必要になります。

午後の実習は、風が強く、時折突風を伴う天候のため、残念ながら、屋内試験場のみでの実習となってしまいました。それでもお伝えすることはたくさんあります。
特に飛行前点検の実施。これは航空法で義務化されています。
昨年、点検の不備に起因された指の切断事故が発生しています。

本来であれば、屋外エリアでも操作訓練をしていただく予定でしたが、その分、安全確認や機体の点検に十分な時間を使う事ができました。風や天候による影響、電源を入れるだけでも、順番があり、事故を起こさないためのノウハウがあります。
また、飛行後にも点検は必ず必要であり、それらの安全確認事項をきちんと身につけていただく事ができ、非常に良かったと思います。

実務講習

実務では応用的な内容に踏み込んでいきます。座学のメインは「事故・違反事例から学ぶ運用時の注意点」です。

ドローンの事故が増えていっているという、実際の数字を元に、危険性を知っていただくとともに、どのような原因で事故が起きているのか、事故を未然に防ぐ心得や方法をお伝えしました。
特に、10時間以上の飛行経験者の慣れや過信による事故が多く発生しているため、今後運用する上で初心を忘れないようにしていただきたいと思います。

ドローンを運用することは、小さな空港を持つことと同等だと考えています。パイロットに全ての責任があり、機体の小さな異変に気付き、飛行を中止する判断力や勇気を持つことが大切です。

また、今回は事故が起こった際のフライトの映像を見ていただき、なぜ事故が起こってしまったかを皆様に考えていただく時間を作りました。
運用事例として、ドローンが実際に人命救助した例や火山活動の調査などの実績を紹介し、今後の運用に関する可能性を知っていただけことも良かったと思います。

実習では、以下内容についての訓練を行いました。

  • ATTIモード訓練:GNSS無し状態での怖さ・対処法
  • 評価試験用装置STMの訓練:適切な位置取りとカメラチルトの複合操作
  • 赤外線カメラを使用した捜索訓練:ズームと赤外線カメラの有用性と操作

すべて重要ですが、やはり産業機MATRICE300にダブルジンバルでの捜索訓練は見応えがあったかと思います。

風が強く、瞬間的に風速5m/s以上の風が吹く事がありましたが、途中会場を変更してどうにか対応。

強風にてAモード訓練はトンネル内に変更

事故トラブルに細心の注意を払い、残りの講習も気を抜かずに対応したいと思います。

【基礎講習の感想】

  • 農業関係や災害関係で使っていきたいと思っていたので、本日講習が受けられてよかったです。配布された資料を今後も活用させていただきたいです。
  • 地元消防本部でもドローンの導入をしているが、幅広い年齢層で誰でも扱えるようにしたいと思い、今回参加させていただいた。基礎から学べてとても良かったと思います。明日の実務講習でワンランク上の操作方法も体験したいです。
  • 本日ドローンについて初めて講習を受けさせていただいたが、わかりやすい講習内容で良かったです。初めてで、何を質問したらよいかもわからなかったが、痒い所に手が届くような説明やアドバイスがあり、とても満足できた。

【実務講習の感想】

  • 10時間以上の飛行経験を有しているが、久しぶりにドローンに触れることができた。自分の技術を維持するための、ドローン操作の講習が定期的にあるとよいと思います。
  • 災害写真を取り扱う部署に所属しているが、ドローンでの空撮にまだ慣れておらず、技術向上のため参加した。今後、いただいた資料等を参考にして、業務に活かしたいです。
  • 説明や資料がわかりやすく、とても参考になった。町の広報で、ドローンを使った撮影をしてみたいと思った。
  • 今日でドローンを操作するのは三回目ですが、やはり操作が難しいなと感じました。特にATTIモードが怖かったです。実運用に向けて検討材料にしたいと思います。

我々も皆様の反応に手ごたえを感じています。
次回の3月6日・13日をもって本講習も終了です!

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