<注意しよう>冬のバッテリー管理
朝の冷え込みが厳しくなり、そろそろタイヤ交換を考える時期になりましたね。
皆さんは冬のドローン飛行の注意事項は何だと思いますか?
点検・・飛行計画通報・・ファームウェアのチェック・・ どれも大切ですが、バッテリー管理も非常に重要です。
特に気を付けたいのが温度。無人航空機など多くの機器に使用されているリチウムイオンポリマーバッテリーの大敵は低温です。寒い冬場は著しく性能が低下してしまいます。(真夏の車内など高温保管も厳禁)
国家資格講習では、バッテリーの適正温度は25℃~35℃と指導しています。
冬場の温度は、この時期くらいから10台前半から1桁台に下がります。 すると、バッテリー内のセルバランス(電圧)が崩れ、必要な電力をモーターに供給する際の効率が低下します。
プロポに「バッテリーセルエラー」と表示されることで、離陸できなくなるケースもありますが、一番まずいのが、セルバランスが大幅に崩れたまま離陸させてしまう(離陸できてしまう)ことです。
バッテリーのセルバランスは、離陸前の温度が適温かつ電圧が揃っていても、離陸して操作を始めた瞬間から0.02~0.03程度の誤差は生じるようになります。
そのため、元々誤差が生じているバッテリーでそのまま飛行させ、さらに誤差が大きくなると、継続的に低電圧状態となり、最大推力(プロポのスティックをMAXに倒した状態)での姿勢維持ができなくなります。
それによって、その場で自動着陸するか、最悪の場合、機体の制御が効かず墜落を招く可能性があるのです。
そうならないためにも、ドローンを飛行させる際は、必ず「余熱」するようにします。 人間の身体と同じで、外側だけでなく芯から温めると、バッテリー装填から離陸まで間が空いても冷えにくくなります。
手っ取り早い方法は「ホッカイロ」をケースに入れて、小1時間程度じっくり温めることですが、バッテリーに直接当てると必要以上に熱を与え、かえって劣化を招いてしまいますので、画像のように1枚布や仕切りを挟むようにしておくと良いでしょう。
また、寒冷地での飛行はIMUやビジョンセンサーなどの制御システムにも異常をきたし、安定飛行ができなくなることも覚えておいてください。
バッテリーに関する知識と様々な対処法については、当スクールの座学で詳しく解説しています。
これから訪れる冬の安全な飛行のため、適切なバッテリー管理をお願いします!