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《免許制度コラム》【第3回】実技審査について

免許制度コラム【第3回】実技審査について

登録講習機関に通うと、最後に修了審査を行い、合格することで修了証が発行されます。
修了審査は大きく5つのブロックに分かれて行います。

1,机上審査
2,口述審査①(飛行前点検)
3,実技審査
4,口述審査②(飛行後点検)
5,口述審査③(事故、重大インシデントの報告及びその対応)

それぞれの内容を全4回に分けて説明しております。第3回目の今回は「3,実技審査」について概略の説明をさせていただきます。

実技審査は、「立入管理措置が講じられた昼間かつ目視内の飛行に係る基本的な操縦能力を有するかどうかを判定」が目的となります。
内容は『スクエア飛行』『8の字飛行』『異常事態における飛行』といった飛行方法を操縦していただき、採点基準に則り「不合格・5点減点・1点減点」に該当する減点行為があった際に減点されていきます。
当たり前ですが、無人航空機操縦者はドローン操縦の技能を持っていることが重要ですので、ここの審査でどれだけ減点を抑えられるかが合格するかどうかの分かれ目となります。

まずは減点行為について説明させていただきます。

「不合格」行為

  1. 航空法等の違反
  2. 危険な飛行
  3. 墜落、損傷、制御不能
  4. 飛行空域逸脱
  5. 制限時間超過
  6. 操作介入
  7. 不正行為

この中では特に4.飛行空域逸脱と5.制限時間超過を注意してください。

『飛行空域逸脱』とは、指定した経路から2.5m逸脱した位置に設定されている不合格区画(下の飛行経路の際に説明)に機体が進入することです。その時点で不合格となります。
実際は、機体が経路から逸れるとまずは減点区画に進入することになります。その際に審査員補助員が旗を上げて知らせてくれますので、慌てず直ちに経路に機体を戻しましょう。

『制限時間超過』とは、各飛行には制限時間が設けられており、離陸した瞬間から着陸するまでの時間がその制限時間が超えてしまうことです。その時点で不合格となります。
減点にならないようにゆっくり飛行をしていると制限時間超過に該当してしまうので注意しましょう。

「5点減点」行為

  1. 飛行経路逸脱
  2. 指示と異なる飛行
  3. 離着陸不良
  4. 監視不足
  5. 安全確認不足

この中では特に4.監視不足と5.安全確認不足を注意してください。

『監視不足』とは、飛行中の機体から目を逸らす行為です。これにはプロポのモニターを注視することも含まれますので、バッテリーの残量確認や機体静止時以外などの合理的な理由なく、機体からは目を逸らさないようにしましょう。

『安全確認不足』とは、離陸前の飛行空域及び気象状況の安全確認や、着陸前の着陸地点の安全確認をしない行為です。安全確認を行ったかどうかの判断は審査員へ安全確認を行った旨が伝わらないと減点になりますので、福島ドローンスクールでは離着陸時の安全確認の声出しを指導しております。

「1点減点」行為

  1. ふらつき
  2. 不円滑
  3. 機首方向不良

1点減点行為は少なくなるように特訓は出来ても、ゼロに抑えるのは経験者の方々も中々難しいです。こちらの行為はゼロにするというよりも、極力抑える操縦技術を講習中に身に着けていただければと思います。

次に各種飛行方法について説明させていただきます。

『スクエア飛行』

スクエア飛行の飛行経路

中央のH地点から離陸し、3.5mまで上昇後5秒間ホバリングを確認後、審査員の指示に従いH→A→B→C→D→E→A→Hと飛行してもらいます。その際、機首は常に進行方向に向けた状態にします。

操縦者から見て奥側になるC→D区間の移動の際、機体の位置がわかりづらいので、深視力を鍛えておきましょう。

『8の字飛行』

8の字飛行の飛行経路

中央のH地点から離陸し、1.5mまで上昇後5秒間ホバリングを確認後、審査員の指示に従い8の字飛行してもらいます。開始方向は左旋回か右旋回かランダムです。機首は常に進行方向に向けた状態にします。

ふらつきや不円滑(1点減点)が多く発生しやすいので、一定の低速前進飛行を行いながらのラダーを入力する複合操作を練習しておきましょう。

『異常事態における飛行』

異常事態における飛行の飛行経路

Aモード(位置安定機能OFF状態)でH地点から離陸し、3.5mまで上昇後5秒間ホバリングを確認後、審査員の指示に従いH→A→B→E→B→…とB-E間を往復飛行してもらいます。その際、機首は常に前方に向けた状態にします。
B-E間を往復している途中で、審査員から緊急着陸の指示がありますので、その時点から最短経路で着陸地点上空へ移動し、着陸してもらいます。

H地点の前方が不合格区画になっていますので、離着陸時に前方に進みすぎてしまうと即不合格となってしまうので、気を付けて操縦しましょう。

おかげ様で今年の1月から実施しております二等無人航空機操縦士講習ですが、現在は経験者向けの講習を満員御礼にて実施中です。その経験者様方も実技審査にて減点ゼロだった方は今までおりません。それだけ採点基準も厳しいということです。

そんな実技審査に向けた操縦のコツ、ポイントの説明をしております福島ドローンスクールでの講習を是非ご利用いただければと思います。

次回予告
免許制度コラム【第4回】(最終回)は、口述審査③(事故、重大インシデントの報告及びその対応)の概略と説明を予定しております。実施細則を見ても一番わからない審査と思いますので、わかりやすいコラムを準備しております。

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